労働災害における下敷き事故
労働災害では下敷き事故がよく起こります。
- 例えば、工場内で部品をクレーンで移動させていたところ、部品が落下し下敷きとなった。
- 加工済みの鉄骨を壁に立てかけていたところ、鉄骨が倒れ下敷きとなった。
などがあります。
また、倉庫内でも、
- 積み重ねていたダンボール箱が崩れ、下敷きとなった。
- カゴを高く積み重ねてリフトで運搬中、バランスを崩して落下し下敷きとなった。
などがあります。
建設現場にいては、
- 設置していた仮設設備が崩落し、作業員が下敷きとなった。
- クレーン車などが横転し下敷きとなった。
というケースがあります。
荷受け作業では、荷下ろし中、トラックから荷物が滑落し下敷きとなることなどがあります。
下敷き事故が起きると頸椎や腰椎や下肢を負傷することが多いです。
後遺障害が残ると、労災保険より障害補償給付を受給することができますが、必ずしも十分な補償を受けられるとは限りません。
特に、せき柱の障害については、動作の制限が大きく、肉体労働はもちろん「ずっと座っている」ことも負担が大きいため、日常生活・仕事への支障が大きいといえますが、「せき柱に変更を残すもの」という認定であれば、後遺障害の等級は11級となり、障害一時金(給付基礎日額の223日分)しか受け取ることができません。
使用者は、労働者が安全に仕事ができるよう配慮する義務(安全配慮義務)を課せられていますが、使用者がこれを怠ったことにより、下敷き事故が発生していることが多いです。
この場合、被災労働者は、労働災害による被害について、会社へ賠償を求めることができます。
たとえば、次のことが原因で事故が発生した場合には、安全配慮義務違反があったと考えられます。
- 無資格者にリフト・クレーンを運転させていた
- 不備や故障を抱えたリフト・クレーンを使用させていた
- 必要な作業責任者・現場監督などを配置していなかった
- 危険な作業方法を労働者に指示していた
- 安全装置が設置されていなかった
労働災害の損害賠償請求は、通常、使用者(労働者が所属している会社)に対しておこないますが、場合によっては、関連会社に対しておこなうことも可能です。
たとえば、建設現場における事故では、元請け・下請け・孫請けが混在して作業をおこなっていたり、工場でも、発注者・元請け・下請けが混在して製造・加工をおこなっていたりするケースが珍しくありません。
こうした関連会社の安全配慮義務違反によって事故が発生していると考えられる場合、複数の会社に対して損害賠償請求をおこなうこともあります。
以上、下敷き事故について説明してきました。
下敷き事故は重傷を負うことが今後の生活に多大な影響を与えます。
お悩みがあれば是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
下敷き事故で不安な今後へ見通しがつくようなアドバイスをさせていただきます。