Q.退職しないで労災申請や損害賠償はできる？

労働災害に遭ってしまったものの、事を荒げてしまうことで会社に迷惑を掛ける、立場が危うくなるといったことを恐れていらっしゃる方が多くいらっしゃいます。

また、会社が労災申請に消極的なケースは多くあります。
しかし、結論から言うと労災保険の給付請求は、会社を退職しないでも行うことができます。
むしろ、退職しないで労災保険の給付を受けるのが圧倒的多数です。

今の時代さすがにないとは思いますが、労災申請で解雇するのは違法です
労働者が労災申請をしたときに解雇することも許されません（労働安全衛生法97条2項）。
解雇だけではなく「その他の不利益処分」も認められないので、たとえば労災申請を機に降格や減給、不当な人事異動などをされることも当然許されません。

そこで、労災に遭ったら堂々と労災申請をする権利が労働者にあるのです。
また、会社に対する損害賠償請求も同様に、退職しないでも行うことが可能です。
ただ、損害賠償請求をすることによって、職場内でのご自身の立場が不安定になることを懸念する方もいらっしゃいます（当然の懸念であると思います）。

そのあたりについては、事案によってどこまで請求するのかは悩ましいといえますので、まずは労働災害に注力している弁護士に相談することをおすすめします。
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