後遺障害5級について
目次
後遺障害5級は、かなり重篤な症状が残った場合に認定されます。
そういった非常に辛い思いをしているからこそ、しっかりとした対応をし、適切な賠償金を得る必要があります。
以下、後遺障害5級について説明していきます。
1 後遺障害5級の類型
以下のとおり、8つの類型があります。
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後遺障害5級1号
後遺障害5級1号の症状は、「一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になつたもの」をいいます。
後遺障害認定における失明とは、
・眼球を亡失(摘出)した
・光の明暗がまったくわからない
・光の明暗が辛うじてわかる
・暗室で光が点滅するときに明暗がわかる
・目の前で手を上下左右に動かされたときにどちらに動いたかわかる
ことをいいます。
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後遺障害5級2号
後遺障害5級2号の症状は、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」です。
後遺障害5級2号に認定される症状は、高次脳機能障害と、脳挫傷や脊髄損傷による身体性機能障害の2つがあります。
ア 高次脳機能障害の場合
高次脳機能障害が残存している場合、意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続力・持久力、社会行動能力の4つの能力のうちいずれか1つの能力の大部分が失われているか、2つ以上の能力の半分程度が失われていれば、後遺障害5級2号に認定されます。
イ 脳挫傷・脊髄損傷による身体性機能障害の場合
脳挫傷や脊髄損傷により身体性機能障害が残存している場合で
・すべての腕と足に軽度の麻痺が認められる
・障害のある片腕では文字を書くのが難しい
・独りで歩けるが、障害のある片足のため不安定で転倒しやすく、速度も遅い
・障害のある両足のため杖または硬性補装具なしでは階段を上れない
・片側の腕と足に中程度の麻痺が認められる
・障害のある片腕では500グラム程度のものを持ち上げられない
・障害のある片腕では文字を書けない
・障害のある片足があるため杖や硬性装具なしに階段を登れない
・障害のある片足があるため杖や硬性装具なしでは歩くのが難しい
・片側の腕または足に高度の麻痺が認められる
・腕の3大関節(肩関節・ひじ関節・手関節)と手指すべてが自力で動かせない
・足の3大関節(股関節・膝関節・足関節)が自力でうごかせない
・障害のある片腕では物を持ち上げて移動させられない
・障害のある片足の支持性がなくなり、自力で動かせない
以上の状態にあると認定されます。
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後遺障害5級3号
後遺障害5級3号の症状は、「胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」です。
認定されうる症状には下記があります。
・呼吸器
動脈血酸素分圧が50Torrを超え60Torr以下で、動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲(37Torr~43Torr)にある
・消化器
人工肛門を増設しており、小腸・大腸の内容が漏出するためストマの周辺に著しい皮膚のびらんが生じ、パウチなどの装着ができない
・泌尿器
尿管に非尿禁制型尿路変更術を行っており、尿が漏出するためストマの周辺に著しい皮膚のびらんが生じ、パッドなどの装着ができない
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後遺障害5級4号
後遺障害5級4号の症状は、「一上肢を手関節以上で失つたもの」です。
手関節以上で失うとは、
・ひじから手首の間で切断した
・手首の橈骨と尺骨が手根骨と切り離された
場合をいいます。
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後遺障害5級5号
後遺障害5級5号の症状は、「一下肢を足関節以上で失つたもの」です。
足関節以上で失うとは、
・膝から足首の間で足を切断した
・足首の脛骨または腓骨が距骨と切り離された
場合をいいます。
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後遺障害5級6号
後遺障害5級6号の症状は、「一上肢の用を全廃したもの」です。
・3大関節(肩関節・ひじ関節・手関節)のすべてが強直し、かつ、手指がすべて用を廃した状態
・関節が完全に動かない
・関節の可動域が通常の10%程度以下に制限される
・手指がすべて動かない
・上腕神経叢が完全に麻痺した状態
に認定されます。
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後遺障害5級7号
後遺障害5級7号の症状は、「一下肢の用を全廃したもの」です。
3大関節(股関節・膝関節・足関節)がすべてが強直した状態
関節が完全に動かない
関節可動域が通常の10%程度以下に制限される
場合に認定されます。
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後遺障害5級8号
後遺障害5級8号の症状は、「両足の足指の全部を失つたもの」です。
足指の全部を失った状態とは、足指の中足指節関節から先を失った状態です。
2 後遺障害5級の慰謝料
後遺障害5級の後遺障害慰謝料は、自賠責基準で618万円、弁護士基準で1400万円となります。782万円もの差があります。
弁護士基準を採用させるためには弁護士に依頼をするか、自ら訴訟提起する必要があります。
弁護士に依頼することで弁護士基準を採用してもらえるのは、弁護士であれば訴訟をすることは容易であり、適切な訴訟遂行をすることができるため、あまりにひどい条件の場合、裁判を起こされる可能性が高いため、わざわざ訴訟とせずに弁護士基準を採用して示談したほうが双方にメリットが多いことに理由があります。
いくらご自身が訴訟提起、遂行が出来ると言っても、一般の方が適切に行うことは困難であるため、保険会社は任意保険基準により損害計算をします。
慰謝料も自賠責と同じか多少上回る程度の金額を提示されます。
後遺障害慰謝料だけでも弁護士に依頼すべきといえます。
3 後遺障害5級の逸失利益
後遺障害が認定されると、残存した後遺障害のせいで労働能力が低下するとされます。
等級ごとに一律に扱われ、低下した労働能力分について逸失利益が支払われます。
逸失利益は下記のように計算します。
事故前年の年収×労働喪失率×労働可能年数の上限67歳までのライプニッツ係数
例えば、40歳、年収500万円の方であれば、5級の労働喪失率は79%となっており、
67-40=27年のライプニッツ係数は18.327となります。これを計算すると
500万円×0.79×18.327=72,391,650円
となります。
事故の重大さからすれば当然ですが非常に高額になることが一般的です。
以上後遺障害5級について説明してきました。
後遺障害5級が認定されるような交通事故は、その後の人生を一変させます。
そうなってしまったときに、後悔や以後の生活のため適正な賠償金を得ることが必要不可欠です。
後遺障害5級に該当するような重大事故に遭われた方や既に後遺障害5級の認定を受けている場合など、交通事故でのお悩みがあれば是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
今後の生活の見通しを立てるべく、なすべきこととなさざることを明確にアドバイスさせていただきます。